インデックスファンドを積み立てている方に、今日はぜひ確認してほしいデータがあります。2026年Q1(1〜3月)の米国決算シーズンがほぼ終わり、S&P500構成企業の「稼ぐ力」が4年以上ぶりの水準まで高まっています。ただし、業績の好調ぶりと株価の割高感が同時進行しているのも事実です。数字の意味を一緒に整理しましょう。
S&P500決算で何が起きた?まずは結論から
結論から言うと、米国企業の稼ぐ力は今、異例なほど強い状態にあります。
2026年Q1決算シーズンは報告率97%まで進み、S&P500全体のブレンド増益率(実績値と予想値を組み合わせて算出した、前年同期比の利益成長率)は+28.6%に達しました。これは2021年Q4以来、約4年ぶりの最高水準です。
さらに注目したいのが「サプライズ率」です。EPS(1株当たり利益:企業が稼いだ利益を発行済み株式数で割った数字)が市場予想を上回った企業の割合は85%に達しており、5年平均の78%を大きく超えています。10社のうち8〜9社が「予想より多く稼いだ」という状態で、企業全体として体力がついていることが数字で確認できた決算シーズンでした。
AI・半導体セクターの動き
S&P500全体の+28.6%という数字も十分に強いのですが、ITセクターはその約2倍にあたる+54.3%という増益率を記録しました。
この数字を引っ張ったのが、NVIDIA(エヌビディア)とMicron(マイクロン)です。
NVIDIA(エヌビディア)はAI向けGPU(画像処理半導体)の需要が引き続き旺盛で、データセンター事業が業績をけん引しました。Micronはメモリ半導体の価格回復とAI関連需要の拡大が追い風となり、前年同期から大幅な増益を達成しています。
インデックスファンドの中でも半導体・IT比率が高いものを保有している方にとっては、このセクターの強さがファンドの基準価額(ファンドの値段)に大きく反映されている可能性があります。
S&P500の割高感をどう見るか——先行PERをチェック
業績が好調なのに、一点だけ気になる数字があります。それが先行PER(今後12ヶ月の予想利益をもとに計算した株価倍率:「株価が1年分の利益の何倍か」を示す割高・割安の目安)です。
現在の先行PERは21.2倍。これは5年平均の19.9倍、10年平均の18.9倍をいずれも上回る「割高圏」にあります。
わかりやすく言うと、「企業は確かによく稼いでいるけれど、株価はその稼ぎ以上に高くなってしまっている」という状態です。業績が強いから株を買いたい人が増え、その結果、株価が利益の成長スピードより速く上がっている——というイメージです。
ただし、ここで一つ前向きな材料があります。Q2(4〜6月)のEPS予想が+2.5%上方修正されており、これは2021年Q3以来で最大の上方修正幅です。アナリストたちが「次の四半期もよさそうだ」と見方を改め始めているサインで、業績の勢いが次の四半期にも続く可能性が数字として出ています。
今日の注目ポイント・見通し
決算シーズン全体を通じて、ネガティブガイダンス(次の四半期について「業績が予想を下回りそう」と企業自身が示した予告)を出した企業の割合は45%にとどまりました。5年平均の58%を大幅に下回っており、「来期も業績は底堅い」と見ている企業が多いことを示しています。
一方で、例外として押さえておきたいのがヘルスケアセクターです。Q2のガイダンスが-15.2%と大幅なマイナスになっており、医薬品の薬価交渉や規制環境の変化が業績の重しになっている様子がうかがえます。
インデックスファンドを保有している方が今日確認しておきたいポイントをまとめると、
- S&P500全体の増益率+28.6%は、自分が持つファンドの基準価額を支える実績値として読める
- 先行PER 21.2倍という割高感は、今後の株価上昇余地が限られる可能性があることも意味する
- Q2ガイダンスの上方修正は、次の決算シーズンに向けて前向きな材料
この3点です。どれか一つだけを見て判断するのではなく、複数の数字をセットで読む習慣が大切です。
リーマン先輩のひとりごと
今回の決算シーズン、数字だけ見ると非常に強い内容でした。+28.6%の増益率も、85%というサプライズ率も、4〜5年ぶりの水準です。企業の体力という面では、この1〜2年で明確に回復が進んだと感じています。
ただ、先行PER 21.2倍という水準は、投資を続けてきた立場から言うと「強い業績がすでに株価に織り込まれている」状態として素直に受け取るべきだと考えています。決算が強くても割高圏にある場合は、それを踏まえた慎重な姿勢が投資の基本です。
一方で、長期でインデックスファンドを積み立てている方にとっては、こういった強い決算シーズンは前向きな材料として受け取って問題ありません。毎月一定額を積み立てる方法であれば、高い水準でも安い水準でも一定量を買い続けることになるため、短期の割高感に過度に反応する必要はないからです。
初心者の方には、まずS&P500に連動するインデックスファンドを長期・積み立てで持つことをおすすめします。
今回ご紹介した「増益率」「PER」「サプライズ率」といった数字は、毎決算シーズンにチェックしておくと、市場の体温感が少しずつわかるようになります。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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