マイクロン株+5%急騰、時価総額1兆ドル突破の3つの理由

半導体セクター全体が足踏みする中、マイクロン・テクノロジーだけが突出した動きを見せました。2026年5月29日(米国時間)の取引で、マイクロン株は+5.14%上昇し、時価総額が1兆ドル(約145兆円)を突破しました。NVIDIA・AMD・TSMCが下落する中での単独急騰です。なぜマイクロンだけが動いたのか、3つの理由を整理します。

目次

今日、何が起きた?まずは結論から

米国市場全体は小幅上昇でした。S&P500(米国を代表する500社の株価指数)が+0.22%、Nasdaq100(ナスダック上場の主要100社)が+0.36%と、落ち着いた値動きの一日でした。

注目すべきは半導体セクターの「二極化」です。SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数:主要半導体企業約30社の株価を束ねた指数)はほぼ横ばい(+0.00%)にもかかわらず、マイクロン・テクノロジー(MU)は$971.00と+5.14%の大幅高を記録しました。一方でNVIDIAは-1.45%、AMDは-0.38%、TSMC(台湾積体電路製造:世界最大の半導体受託製造会社)は-1.51%と下落しています。

「半導体が全部上がる」時代は終わり、業績の裏付けがある銘柄だけが選別される局面に入りつつある、という動きです。

マイクロン急騰の3つの理由

マイクロン急騰の背景には、3つの要因が重なりました。

理由1:FY2026 Q2決算でAI向けメモリの実力を証明した

マイクロンが発表したFY2026第2四半期決算では、クラウドメモリの売上が77億4,900万ドルを記録し、粗利率(売上から製造コストを差し引いた利益率)は74%に達しました。特に注目されているのがHBM(高帯域幅メモリ:AIの計算処理を支える高性能メモリ)です。AIサーバーの需要が拡大するにつれ、HBMを製造できるマイクロンへの期待が数字で裏付けられた形になりました。

理由2:複数のアナリストが目標株価を大幅に引き上げた

UBS(スイスの大手金融機関)が目標株価を$1,625に、DA Davidson(米国の証券会社)が$1,500に引き上げました。アナリストの目標株価とは「この水準まで上昇する可能性がある」という専門家の見立てです。複数のアナリストが相次いで評価を高めると、機関投資家(大量の資金を運用するプロの投資家)の買いが入りやすくなります。

理由3:NVIDIAの台湾投資発表がマイクロンの追い風になった

NVIDIAが台湾への年間投資額を1,500億ドルに引き上げると発表しました。これは直接マイクロンへの投資ではありませんが、「NVIDIAがAIインフラを大規模に拡張する=NVIDIAのAIチップに組み合わせるHBMの需要も増える」という連想が働き、マイクロン株の買いを後押ししました。

なお、NVIDIA・AMD・TSMCの下落については、材料出尽くしや利益確定売りが入ったと見られます。上昇が続いた後に一部の投資家が「いったん利益を確定する」という動きは、相場の自然な調整です。

市場全体との連動を見てみよう

VIX(恐怖指数とも呼ばれる、市場参加者の不安度を示す指数)は15.42と-2.03%の低水準でした。数値が低いほど市場が落ち着いているサインで、現時点では投資家の過度な不安は見られません。

ただし、米国10年債利回りは4.453%と高めで推移しており、金(Gold先物)も+0.83%と上昇しています。「安全資産への関心は完全にはなくなっていない中で、業績が伴う半導体銘柄には買いが入る」という選別の構図です。

半導体ファンドを保有している方は、マイクロンの組み入れ比率を一度確認してみる価値があります。ファンドによってはNVIDIAやTSMCと並んでマイクロンが一定割合を占めているケースもあります。

今日の注目ポイント・見通し

日本市場への波及

日経225は前日比+2.53%の66,329.50円と大幅上昇しており、米国の半導体株の動きが日本市場にも好影響を与えています。来週月曜日(6月1日)の東京市場では東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)など、国内半導体関連銘柄の動きが注目されます(本日5月30日は土曜日のため東京市場は休場)。

今後の注目イベント

マイクロンの次回決算は2026年6月24日を予定しています。今回の好決算を受けて市場の期待値が高まっている分、次回発表まではHBM関連ニュースが株価を動かす場面が出てくるかもしれません。また、米国10年債利回りの動向は引き続き注目です。利回りが上昇すると割高感から成長株(テック・半導体)に売りが入りやすくなるため、4.5%前後の水準を意識しておくとよいでしょう。

リーマン先輩のひとりごと

NVIDIAが盛り上がっているとき、実は静かに力をためているのがマイクロンです。AIチップが注目を集めれば集めるほど、そのチップと組み合わさるメモリの需要も膨らむ。今日みたいな動きを見ると、半導体セクターの面白さを改めて感じています。

半導体ファンドを積み立てている方は、自分が間接的にマイクロンも保有しているケースが多いです。「NVIDIAしか持っていない」と思っていても、ファンドの中身を見るとマイクロンが入っていた、ということも珍しくありません。

初心者の方にはまず野村半導体ファンドから半導体セクターの全体像を掴むことをおすすめします。個別銘柄より分散が効いているので、こうした選別局面でも値動きが緩やかになりやすいです。

野村半導体関連ファンドの詳細はこちら

SOX指数とは何か、なぜ半導体投資の基準になるのかを知りたい方はこちらもどうぞ。

SOX指数(半導体指数)の解説はこちら

本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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