日本株市場分析|日経平均の週間プラスを回復と読まない

日本株市場分析 / at a glance Layer 1 → 3 の3層構造 基準日 2026-10-30

日本株市場分析 ― 日経平均の週間プラスを回復と読まない

日経平均は週 +0.95% の 63,290円と3週ぶりに上げたが、TOPIXは ▲0.02% の横ばいで、上昇の中心は半導体の買い戻しだった。その買い戻しも10/30の ▲2.12% で多くが消え、東証の引け後には米半導体指数SOXが ▲7.20% と急落して、夜間先物は 62,420円 まで下げた。中立へ戻す3つの条件は週末時点でいずれも満たしておらず、市場体温は弱気に据え置く。

市場体温
弱気
前回10/23から据え置き。確信度は中
TOPIX(週間)
▲0.02%
3週続落。市場全体は上がっていない
夜間先物(大証ミニ12月限)
62,420円
▲1,060円(10/31 06:00)。米国の急落はまだ現物に入っていない
信用買いの評価損益率
▲13.50%
前週 ▲10.41% から悪化。信用で買った人の含み損が膨らんだ

結論:業績は悪くないが、株価が素直に報いる相場に戻っていない

週末の米急落が未反映
  1. 買い戻し 週間の上昇は半導体の買い戻しが中心だったアドバンテストの上方修正で10/29に 64,659円 まで戻したが、10/30に 1,369円 下げた。17業種のうち最下位は半導体を含む電機・精密の ▲2.91%。10/28は指数が上げても値下がりが1,096銘柄に達した。半導体だけが上げる形は日本株市場分析|上げたのは半導体だけで割高感が増したでも取り上げた。
  2. 期待との差 決算の良し悪しだけでは株価が決まらないアドバンテストは2度目の上方修正で買われた翌日に ▲5.86%。イビデンは上方修正の直後にストップ安(主要顧客とされるIntelの見通し未達が重なった)。富士通は本業の未達でストップ安となった。下方修正の広がりは確認されていない(確信度:中)。
  3. 未反映 来週は米国の急落と3社の決算を同時に消化する10/30の東証の終値に入っているのはIntel・Amazonの時間外の下げまでで、米国本番のSOX ▲7.20% は入っていない。東京エレクトロン・TDK・キオクシアの決算も引け後で、キオクシアは夜間の私設取引で ▲12.36% と下げた。

先週の見立ての答え合わせ

  • ○アドバンテスト 買い:週 +7.79%当たり。市場予想を大きく上回る決算で裏づけられた
  • ○東京エレクトロン 短期は中立:週 +0.59%妥当。決算への反応は11/2に確かめる
  • ○TDK 中立:週 ▲2.00%妥当。上方修正の余地があるとの見方も的中した
  • ○61,380円 の下値の目安を保てるか週を通じて割らなかった

中立へ戻す3つの条件

  • ×日経VIが30を割って定着する10/29に25.80まで下がったが、10/30は33.82に戻した
  • ×64,449円を回復して週末まで保つ10/29に回復したが、10/30に割り込んだ
  • ×好決算に株価が素直に反応する反応した銘柄もあるが、イビデンなど逆の例が残る。東京エレクトロン・TDKの反応は未確認

弱気の判断が行きすぎている可能性

  • 110/30はプライムの過半が上昇した値上がり807・値下がり714。資金は市場から逃げず、AI以外へ移っている
  • 2新安値は前週の90から45へ半減した騰落レシオは93.26で、売られすぎの手前にある
  • 3信用買いの評価損益率 ▲13.50% は投げ売りが出やすい水準である売りが一巡すれば反発の材料になる(確信度:低)

主要指標

10/30 終値
指標10/30前日比週間
日経平均63,290.11▲2.12%+0.95%
TOPIX3,965.07▲0.95%▲0.02%
グロース250780.53▲1.33%+3.44%
NT倍率15.96—前週 15.81
日経VI33.82前日 25.80前週 38.25
ドル円157.52—前週 156.82
日本10年債2.755%▲8.0bp▲4.5bp
米10年債4.93%▲6bp▲6bp
信用倍率9.49倍—前週 9.99倍

プライムの売買代金は10/30に 8兆4,659億円、アドバンテストの決算に沸いた10/29は 13兆8,657億円 だった。信用倍率と評価損益率は10/23申込分。信用買いの含み損は大きく、下げが続けば整理の売りを呼びやすい(推測・確信度:中)。

銀行とエネルギーが上位、電機・精密が最下位

業種別ETF 週間

TOPIX-17業種別ETFの週間騰落(10/23比)の上位と下位。中央の縦線がゼロ。

米国本番の前に、AI関連はすでに大きく売られていた

10/30 前日比

主な銘柄と指数の10/30の下落率。右端の縦線がゼロで、左へ伸びるほど下げが大きい。

米国からの波及:東証に入った分と、来週に残る分を分ける

同日の米国株分析と突き合わせ
米国では半導体の急落でも売られた業種は限られ、業績は強い。日本で問われるのは、東証の引け後に出た米国の下げがどこまで広がるかである。米国側の論点は米国株市場分析|AI株は投資額でなく回収で選ばれるを参照。
米国の出来事米国の株価10/30までの日本来週の論点
Intel Q4見通しの未達▲28.58%
10/30
イビデンがストップ安(主要顧客とされる)時間外を上回った本番の下げが、基板と後工程にどこまで及ぶか
米半導体指数SOX▲7.20%
52週高値比 ▲27.07%
レーザーテック ▲8.81%・SUMCO ▲7.93%・村田製作所 ▲7.72%11/2の半導体株の寄り付き。東京の下げはすでに一部入っている
Amazon・Alphabet 決算▲1.41%・▲1.40%
10/30
ソフトバンクG ▲5.96%・フジクラ ▲6.60%米巨大ITは2027年の設備投資を増額する方向で、需要の後退とは見ていない
Teradyne Q4見通しの横ばい▲11.16%
週間
アドバンテストは週 +7.79% と明暗テスタの需要の差か、一時的な差か(確信度:低)
AMD 11/3・Arm 11/4 決算——11/3は東京が休場で、結果は11/4にまとめて反映される
8035東京エレクトロン 9,514円
中長期 買い/短期 中立 確信度 中長期 中・短期 低 週 +0.59%

上期は計画を上回り、初めて開示した通期計画も最高益である。ただし決算は10/30の引け後で、株価の反応は11/2以降になる。反応を見るまで短期は買いに上げない。

目標株価
自己評価 11,700円(+23.0%)(11,400円から引き上げ)/コンセンサス 16,617円(決算前)
バリュエーション
PBR 9.94倍で記録上の最低。会社予想PER 24.88倍
直近決算
上期営業利益 5,067億円(計画比 +10.6%)。通期は売上 3兆7,000億円・営業利益 1兆1,690億円
カタリスト
11/2の株価反応・1,500億円の自社株買い
最大リスク
米SOX急落の波及・好決算でも売られる展開
6857アドバンテスト 34,860円
買い 据え置き 確信度 低〜中 週 +7.79%

営業利益が市場予想を約2割上回り、通期を今期2度目の上方修正とした。前回の買いは当たった。米SOXの急落が未反映のため、確信度は中まで上げない。

目標株価
自己評価 40,000円(+14.7%)(38,000円から引き上げ)/コンセンサス 46,293円
バリュエーション
会社予想PER 34.00倍。3カ月の幅(約35〜46倍)の下限を下回る
直近決算
7-9月期営業利益 2,668億円(予想 2,200億円程度)。通期営業利益 8,460億円 → 9,670億円
カタリスト
11/3 AMD・11/4 Arm決算・2,800億円の自社株買い
最大リスク
米SOX急落の波及・AI投資の回収不安
6762TDK 2,572円
中立 → 中立(買い寄り) 確信度 中 週 ▲2.00%

通期を上方修正したが、買いに上げる条件の2,600円を株価が下回っている。決算は10/30の引け後に出た。2,600円を回復して2営業日保てば買いに上げる。

目標株価
自己評価 3,100円(+20.5%)(3,000円から引き上げ)/コンセンサス 4,180円(決算前)
バリュエーション
修正後の会社予想PER 17.44倍・PBR 2.10倍
直近決算
通期営業利益 2,950億円 → 3,650億円・最終利益 2,800億円・配当 50円
カタリスト
11/2の株価反応・HDD各社の需要コメント
最大リスク
米SOX急落の波及・HDD関連の株価水準の切り下げ
6702富士通 3,622円
買い → 中立 確信度 中 週 ▲19.10%

本業の利益が市場予想を約23%下回り、ストップ安となった。通期計画は据え置いたが、下期に上期の2.7倍の利益が必要になる。8/29の買いは外れた。

目標株価
自己評価 3,750円(+3.5%)(4,300〜4,600円から引き下げ)/コンセンサス 4,772円
バリュエーション
会社予想PER 20.24倍・PBR 3.06倍
直近決算
7-9月期調整後営業利益 590億円(▲31.6%・予想 770億円程度)。通期 4,250億円は据え置き
カタリスト
不採算案件の収束・通期達成の確度の開示
最大リスク
通期の下方修正・目標株価の引き下げの連鎖

割高感は小さいが、20倍の水準まで下げる余地が残る

バリュエーション

指数は26年度の予想利益を約20.6倍で先取りしている。夜間先物の水準でも約20.3倍で、20倍にあたる 61,380円 まで約1,040円ある。

指数 ÷ 26年度予想利益
20.6倍
前週 20.4倍。20倍=61,380円
株の上乗せ利回り
2.10pt
益回り 4.86% − 10年債 2.755%。記録上で最大
指数のPER
20.58倍(加重平均 16.56倍)
日銀
政策金利1.25%を据え置き。賛成8・反対1で、反対票は1.5%への利上げを提案
ETFの売却
2027年1月から年8,600億円(簿価)へ増額。需給への影響は小さいと見る(確信度:中)
局面
金利の上昇が株を押し下げる局面(逆金融相場)の後半。国内企業の業績悪化は確認されていない

今の値動きは業績の悪化ではなく、期待との差と株価水準の見直しによる。下方修正が広がらない限り、業績悪化の局面に移ったとは判断しない(推測・確信度:中)。

次に確認すべきこと

日付順
時期イベント注目点
11/2週明けの寄り付き米SOX急落の波及。東京エレクトロン・TDK・キオクシアの決算への反応
11/2京セラ・JAL決算、米Apple決算—
11/3東京休場・米中間選挙・AMD決算結果は11/4の東京にまとめて反映される
11/4東京再開・Arm決算AI半導体の数量の見通し
11/5トヨタ・任天堂決算トヨタの通期見通し
11/6三菱重工決算・米10月雇用統計米国の利上げ観測
継続61,380円の水準終値で割れば弱気を深める。VI 40超・TOPIX週 ▲3%超も同様

出所:Yahoo!ファイナンス・Google Finance(指数・個別銘柄・業種別ETFの終値)/株探(売買代金・グロース250・決算)/nikkei225jp(日経VI・PER・信用残・騰落数・夜間先物)/日本銀行 公表文/株予報(コンセンサス)/各社決算資料・報道。株価と騰落率は 2026-10-30 東京終値、米国の数値は 2026-10-30 米国終値。

本ページは投資判断の材料であり、投資勧誘ではありません。判定と目標株価には推定が含まれ、確信度を併記しています。

JPX(東京証券取引所)外観|日本株・日本市場

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