日本株市場分析|売りが半導体の外へ広がり弱気に転じた

日本株市場分析 / at a glance Layer 1 → 3 の3層構造 基準日 2026-10-23

日本株市場分析 ― 売りが半導体の外へ広がり弱気に転じた

日経平均は週 ▲4.03% の 62,693円で、2週で ▲9.18% 下げ、63,000円割れが2日続いた。先週は半導体だけの下げでTOPIXは ▲0.95% にとどまったが、今週は銀行 ▲6.47%・機械 ▲4.84%・鉄鋼・非鉄 ▲7.88% と売りが半導体の外へ広がり、TOPIXも ▲2.46% 下げた。値下がり銘柄が多い日は5日中4日にのぼる。一部の銘柄の巻き戻しとは言えなくなったため、市場体温を弱気寄りから弱気へ引き下げる。

市場体温
弱気
前回10/17の中立(弱気寄り)から引き下げ。確信度は中
日経平均(2週間)
▲9.18%
62,693円。10/22は 1,713円安で約3カ月ぶりの安値
日経VI(値動きの不安の大きさ)
38.25
5日すべてで30超。弱気の目安 40 に接近
信用買いの評価損益率
▲10.41%
前週 ▲6.58% から悪化。信用で買った人の含み損が膨らんだ

結論:半導体だけの下げから、市場全体の下げへ移った

売りの広がり
  1. 広がり 半導体以外の業種も売られた先週は医薬品・自動車・不動産が上げ、TOPIXは日経平均より4pt以上下げが小さかった。今週は銀行・機械・鉄鋼・非鉄・電機が下げ、TOPIXとの差は約1.6ptに縮んだ。プライム市場の値上がり553・値下がり951(10/23)で、値下がりが多い日が5日中4日あった。半導体に集中していた先週の下げは日本株市場分析|日経平均の急落を全面安と読まないにまとめた。
  2. 前工程 半導体の最も弱い所が、メモリから前工程の装置に移ったSCREEN ▲15.82%・KOKUSAI ▲14.02%・東京エレクトロン ▲11.03%。米Lam Researchが過去最高の売上でも供給制約で見通しが期待に届かず ▲11.76% と売られ、その影響が日本の前工程の装置に集中した(確信度:中)。
  3. 金利 金利の低下が、銀行を売らせて不動産を買わせた日本10年債の利回りは 2.93% から 2.80% に下がった。利ざやが縮む銀行は ▲6.47%、借入の多い不動産は +4.19% で17業種の首位。原油高でエネルギー資源も +2.67% 上げた。

先週の見立ての答え合わせ

  • ×アドバンテスト 買い:週 ▲6.34%短期では外れ。ただし下げは会社固有の材料によるものではなく、10/23には 30,030円 の手前で切り返した
  • ○キオクシア 中立:週 ▲4.64%当たり。買いにしなかったことで下落を避けた
  • △トヨタ 中立:週 +0.36%半分当たり。日経平均を4pt以上上回ったが、上値は重かった
  • ×週明けに 65,000円 を保てるか保てなかった。10/22には 63,000円 も割り込んだ

弱気の判断が早すぎる可能性

  • 110/23は 1,400円超安から 1,230円 戻した日中の安値 61,462円 は、26年度予想利益の20倍にあたる 61,380円 にほぼ届いた
  • 2騰落レシオは102で、市場全体はまだ売られすぎではない裏返せば、売られすぎからの反発を期待できる位置でもない
  • 3信用買いの評価損益率 ▲10%台は、短期の底の近くで見られやすい確信度:低

主要指標

10/23 終値
指標10/23週間
日経平均62,693.16▲4.03%
TOPIX3,965.81▲2.46%
グロース250754.60▲3.15%
NT倍率15.81前週 16.07
日経VI38.25前週 32.17
ドル円156.82前週 157.99
日本10年債2.800%▲13bp
米10年債4.99%▲11bp
信用倍率9.99倍前週 8.80倍

プライムの売買代金は10/23に 8兆9,383億円。信用倍率は 9.99倍 に上がり、信用での買いが売りの約10倍に積み上がっている。値下がり局面で信用買いの整理が進めば、下げを大きくする要因になる(推測・確信度:中)。

不動産とエネルギーが上位、鉄鋼・非鉄と銀行が下位

業種別ETF 週間

TOPIX-17業種別ETFの週間騰落(10/16比)の上位と下位。中央の縦線がゼロ。

半導体は前工程の装置と素材が最も売られた

週間騰落率

AI半導体に関わる主な銘柄と日経平均の週間騰落(10/16比)。右端の縦線がゼロ。

米国からの波及:4つの出来事が別々の銘柄に伝わった

同日の米国株分析と突き合わせ
米国では、AIに投じたお金が利益で戻るかが問われ、回収が見えにくい銘柄が売られた。日本ではその影響が、米国の銘柄とつながりの深い銘柄にそれぞれ伝わった。
米国の出来事米国の株価日本で売られた銘柄伝わった理由
Lam Research 決算▲11.76%
10/22
SCREEN・KOKUSAI・東京エレクトロン売上は過去最高でも、供給制約で次の四半期の見通しが期待に届かなかった。同じ前工程の装置メーカーに直結した
Meta 決算▲7.87%
2日間
ソフトバンクグループ・アドバンテスト設備投資が稼ぐ現金を上回り、AI投資の回収への疑いが強まった。AI投資の出し手と、値動きの大きいテスタに及んだ
Western Digital 決算下落TDK・日東電工予想を上回っても、費用と設備投資の増加で売られた。HDDの部品を納める日本の電子部品に及んだ
米半導体指数SOX▲26.4%
52週高値比
半導体全般弱気へ下げる目安の ▲30% に近づいている。日本の半導体株の戻りもSOXの下げ止まりが前提になる
8035東京エレクトロン 9,458円
中長期 買い/短期 中立 確信度 中長期 中・短期 低 週 ▲11.03%

株価純資産倍率は10.15倍と、これまでの記録で最も低い。業績は拡大期にあり中長期の買いは維持するが、10/30の決算でLam Researchと同じく「好決算でも下落」となる可能性がある。

目標株価
自己評価 11,400円(+20.5%)(12,400〜13,600円から引き下げ)/コンセンサス 16,617円
バリュエーション
PBR 10.15倍。景気の波で業績が大きく動く株のため、PBRで評価する
直近決算
Q1 売上 7,323.8億円(+33.3%)・営業利益 2,114億円(+46.1%)
カタリスト
10/30 Q2決算での通期見通しの開示・1,500億円の自社株買い
最大リスク
好決算でも売られる展開・AI投資の回収不安・対中規制
6857アドバンテスト 32,340円
買い 据え置き 確信度 低 週 ▲6.34%

前回の買いは短期では外れたが、下げは会社固有の材料によるものではない。予想PERは3カ月の幅の下限付近まで下がった。10/28の決算で通期見通しの再上方修正があるかを確かめる。

目標株価
自己評価 38,000円(+17.5%)(据え置き)/コンセンサス 43,480円
バリュエーション
会社予想PER 35.50倍。3カ月の幅(約35〜46倍)の下限付近
直近決算
Q1 売上 3,675億円(+39.3%)・営業利益 1,900億円(+53.3%)
カタリスト
10/28 Q2決算・10/27 米Teradyne決算
最大リスク
好決算でも売られる展開(確率は中〜高)・先物主導の売り
6762TDK 2,624.5円
中立 確信度 中 週 ▲10.75%

Q1は過去最高益で通期の上方修正の余地もあるが、HDD関連の株価水準の切り下げが続いている。年初来高値から ▲39.2% で、理論株価の下値の目安にほぼ届いた。今回が初めての分析。

目標株価
自己評価 3,000円(+14.3%)/コンセンサス 4,196円
バリュエーション
会社予想PER 22.14倍・PBR 2.17倍
直近決算
Q1 売上 約 7,410億円(+38.3%)・営業利益 約863億円(+53.0%)。売上の過半は小型の電池
カタリスト
10/30 Q2決算での通期の上方修正・米Seagate決算
最大リスク
HDD関連の株価水準の切り下げの継続・円高

割高感は薄れたが、下値の目安はすぐ下にある

バリュエーション

日経平均は26年度の予想利益を約20倍で先取りしている。20倍の水準にあたる 61,380円 が当面の下値の目安になる。

日経平均 ÷ 26年度予想利益
20.4倍
前週 21.3倍。20倍=61,380円
株の上乗せ利回り
2.02pt
益回り 4.82% − 10年債 2.80%。記録上で最大
指数のPER
20.76倍(加重平均 16.65倍)
10/23の安値
61,462円。20倍の水準 61,380円 にほぼ届いて戻した
局面
金利の上昇が株を押し下げる局面(逆金融相場)の後半。国内企業の業績悪化はまだ確認されていない
物価
9月の全国コアCPIは +2.1%

今の下げは業績の悪化ではなく、AI関連の株価水準の切り下げと金利の動きによる。決算シーズンで業績の下方修正が広がれば、業績悪化の局面に移ったと判断する(推測・確信度:中)。割高感が強まった時点の分析は日本株市場分析|上げたのは半導体だけで割高感が増したにまとめた。

次に確認すべきこと

日付順
時期イベント注目点
10/26週明けの寄り付き61,380円(26年度予想利益の20倍)を保てるか
10/27米Teradyne決算・信用残(10/23申込分)テスタの受注。信用買いの整理が進んだか
10/28アドバンテスト Q2決算・FOMC通期見通しの再上方修正。好決算で買われるか
10/29〜30日銀会合・展望レポート利上げを続ける姿勢が変わるか
10/30東京エレクトロン・TDK・キオクシア・村田製作所・SCREEN Q2決算前工程の装置の見通し。下方修正が広がるか
11月上旬トヨタ・ソフトバンクグループ Q2決算原油高と円高の影響・AI投資の評価
継続日経VIとTOPIXの週間騰落VI 40超・TOPIX週 ▲3%超で弱気を確定

出所:Yahoo!ファイナンス・Google Finance(指数・個別銘柄・業種別ETFの終値)/日本経済新聞・株探(寄与度・売買代金・騰落銘柄数)/日経平均プロフィル・nikkei225jp(日経VI・PER・信用残)/総務省(全国CPI)/FactSet Earnings Insight 2026-10-23 号/各社決算資料・アナリストコンセンサス・報道。株価と騰落率は 2026-10-23 東京終値。

本ページは投資判断の材料であり、投資勧誘ではありません。判定と目標株価には推定が含まれ、確信度を併記しています。

兜町の道路標識(青空バック)|日本の株式市場

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