コラム『S&P500』は新NISAで投資を始める方におススメ

新NISAがいよいよ始まり、積立投資を始めた方/始めようとしている方が増えていると思います。私もこの1ヶ月の間に何人もの方から相談を受けました。私の周りにはまだ投資の初心者が大勢いて(その内の半分はS&P500を知らないレベルの初心者)、いろいろアドバイスを求められる機会が増えてます。

そういった初心者の方々の話を聞くと、「投資の基本」について語る意味や重要性を肌で感じます。なぜなら結構な人数の方が証券会社や郵便局の窓口で言われるがままに手数料の割高な商品を買おうとしていたからです。

と言うことで今回は投資の初心者に向けて、長期投資の基本・インデックス投資の王道である『S&P500』について分かりやすく解説し、投資するならどの商品がいいのか具体的に紹介したいと思います。

先に結論ですが、『S&P500』に投資するなら『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が最善の選択、と提案しています。

S&P500とは何か

まず最初にS&P500とは何か、から始めましょう。S&P500とは米国の代表的な株価指数です。米国大型企業500社で構成され、米国の株式市場の動向を把握する上では最適な指数として世界的に認知されています。

ちなみに日本ではダウ工業株30種平均が認知度が高いですが、こちらは超巨大企業30社しか含まれていません。ですので米国の全体を把握する上ではS&P500が適していると言えます。

S&P500に投資するということ

ではS&P500に投資する、とはどう言うことでしょうか。S&P500という商品があるわけではなく、S&P500指数に連動したETFや投資信託を購入することで米国大型企業500社に一度に投資することが可能となっています。

あれこれ買わなくてもこれ一つで米国株に広く投資できなんて便利ですよね。

ではなぜ日本ではなく米国に投資するのでしょうか。その答えは次に示す2つのチャートを見たら分かります。

過去30年の日経225株価指数とS&P500をグラフで重ねてみました。青色が日経225、オレンジ色がS&P500となります。この30年での成長率が日経225は+70%に対してS&P500は+933%も成長しています。日本に投資するよりは米国に投資した方がリターンが大きいわけです。

続いて世界の株式時価総額の国別内訳です。

米国マーケットの株式時価総額は全世界の61.6%、対して日本は6.4%にすぎません。これは米国が世界経済の中心であり、世界中のお金が米国に集まっていることを意味します。またこの比率は年々差が開いていて、米国は時価総額の比率を拡げ続けています。人口が減少し経済が伸び悩んでいる日本にはこの傾向を変えることは難しく、そんな日本に長期間投資するのは実はリスクを孕んでいるのです。

世界一の経済規模を保ち続けている米国は長期の投資先にうってつけだということが、これでお分かりいただけたと思います。

では何に投資したらいいの?

『S&P500』に投資できる商品にはどんなものがあるか、今回は投資信託に絞って見てみましょう。

運用実績とスケールメリットを加味する上で、純資産(運用している資産額)の多い順に3つ選びました。(スクリーニングに使用したのはSBI証券の投資信託パワーサーチです)

✅三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
✅SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
✅大和-iFree S&P500インデックス

ではそれぞれ基礎情報を見ていきましょう。

 三菱UFJSBI大和
投資対象S&P500に採用されている米国株式に投資S&P500指数に連動するETF(上場投資信託証券)に投資S&P500に採用されている米国株式に投資
為替ヘッジしない
信託報酬0.09372%以内0.0938%程度0.198%
純資産2,998,773百万円(約3兆円1,225,564百万円(約1.2兆円141,380百万円(約0.14兆円
新NISA成長投資枠/つみたて投資枠どちらにも対応

一言で評価すると次のとおりとなります。

三菱UFJ信託報酬純資産最強圧倒的なスケールメリットが享受できる
SBI  ➡ 信託報酬の安さは三菱UFJと同程度、純資産額でトップを猛追中
大和   ➡ あえてこれを選ぶメリットはなし

ということで選ぶなら三菱UFJSBIが妥当な選択肢となります。

この2つには異なった特徴があります。それは投資対象が違う、という点です。
三菱UFJは独自に株式を購入しポートフォリオを組んでいるのに対して、SBIはバンガード社のETF(上場投資信託) VOOを購入しています。ファンドの仕組みを較べると三菱UFJの方が介在するものが少なく、これが信託報酬の差の一因になっていると思われます。

次の図をご覧いただければ、SBIはETFを購入することで間接的に米国の株式に投資していることがお分かりいただけます。(三菱UFJの図にはETFは登場していません

どちらを選ぶ?『三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』VS『SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』

『全部10万円ずつ買ってみた』企画ではこの2つを同時購入し、その後の8か月間にわたって運用成績を追跡しました。その結果、三菱UFJが31勝3敗でSBIを圧倒しました

続いてSBI証券の投資信託パワーサーチの情報をもとに比較してみました。⭕️は優れている項目です。

商品名三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
シャープレシオ1.49⭕️1.50
標準偏差15.70⭕️15.64
6ヶ月リターン⭕️14.62%14.57%
1年リターン⭕️23.46%23.38%
3年リターン⭕️22.55%22.38%

比較の結果、シャープレシオと標準偏差はややSBIがリードし、リターンでは三菱UFJがわずかに有利となっています。リターンで三菱UFJが有利なのは『全部10万円ずつ買ってみた』と同じ結果と言えます。

まとめ

今回は初心者の方向けに長期の投資先として『S&P500』をご紹介しました。米国株投資、というと敷居が高そうに聞こえますが、実は日本株よりも成長が期待できること、日本円で購入できる商品が低い手数料で揃っていること、その中でも特に優秀な商品を2つご紹介しました。

個人的には運用成績の良い『三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』を長期投資として推しますが、『SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』でも引けをとりませんので、お持ちの株式口座で買える方を選んでいただければ良いかと思います。どちらも新NISAの成長投資枠/つみたて投資枠に対応していますので、新NISAを機に投資を始めるという方には第一に検討していただければ幸いです。

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