先日アップした『日経平均高配当利回り株ファンド』について分析したブログ記事ですが、ほんとうに多くの皆さまに読んでいただきました。ありがとうございました。
今回は1月19日に30分割され、新NISAでもとても買いやすくなりネットで話題となっている『1489 NEXT FUNDS 日経平均高配当株50ETF』(以下、NF日経平均高配当50ETF)について分析しつつ『日経平均高配当利回り株ファンド』と比較し、新NISAで日本株に投資するならどちらがいいかを検証したいと思います。
先に結論ですが、今回再分析した『日経平均高配当利回り株ファンド』があまりにもすばらしく、リーマン先輩としては『日経平均高配当利回り株ファンド』を推しています。
基本情報
✅信託報酬:0.308%
✅対象指標:日経平均高配当株50指数(日経高配当株50)
✅構成銘柄数:50(配当利回りの高い50銘柄から構成)
✅年1回(6月末)に銘柄入れ替えを実施
✅分配金支払い基準日:毎年1月、4月、7月、10月の各7日(年4回)
構成銘柄
『NF日経平均高配当50ETF』の構成銘柄です。現在は49銘柄で運用されているようです。
今回比較対象としている『日経平均高配当利回り株ファンド』の構成銘柄はこちらの記事に上げています。
リスクと成長率の分析
『NF日経平均高配当50ETF』の上場日(2017年2月)からのデータが入手できたので、およそ7年分のデータを基に分析しました。なお配当は再投資する前提で試算しています。
結果は『S&P500』と比較してリスクは低く成長率は高くなりました。この分析を始めてから最初の『S&P500』より低リスク高リターンの銘柄となりました。
もうこれだけで投資意欲がわきますね。
投資効率
投資効率も『レバナス』と同程度との結果に。とても優秀です。
以上のことから、『NF日経平均高配当50ETF』は『S&P500』よりも低リスク高リターン、投資効率も優れている、ということが分かりました。
何が違うの?『NF日経平均高配当50ETF』VS『日経平均高配当利回り株ファンド』
では以前紹介した『日経平均高配当利回り株ファンド』と何が違うのでしょうか。せっかくですので『日経平均高配当利回り株ファンド』の最新データを2024年度版のマップとメーターで再分析し、両者を比較してみました。
比較した結果は次のとおりです。
成長率:『日経平均高配当利回り株ファンド』
リスクの低さ:『NF日経平均高配当50ETF』
投資効率:『日経平均高配当利回り株ファンド』
となりました。
驚きですが、『日経平均高配当利回り株ファンド』は昨年の分析結果と較べて成長率と投資効率がともに向上しています。投資効率に至ってはNASDAQ100を抜き去りFANG+に迫る勢いです。
日本株きてますね。
ではここからファンダメンタル分析をしたいと思います。
配当利回り
最新の配当利回りについて調べた結果、次のとおりとなりました。
NF日経平均高配当50ETF | 日経平均高配当利回りファンド | (参考)日経平均 | |
配当利回り | 4.0% | 4.2% | 1.8% |
『NF日経平均高配当50ETF』の4.0%に対して『日経平均高配当利回りファンド』は4.2%と、ここでも『日経平均高配当利回りファンド』は優秀さを発揮しています。ですが両方とも4%台ですので、どちらも高配当が期待できる投資先、と言っていいと思います。
PBR
次にPBRについて見てみましょう。
NF日経平均高配当50ETF | 日経平均高配当利回りファンド | (参考)日経平均 | |
PBR(倍) | 0.79 | 1.0 | 1.7 |
この結果から、『NF日経平均高配当50ETF』のPBRが0.79と、ETFを構成する各企業の株価がまだ割安であり、『日経平均高配当利回りファンド』よりも成長の余地を残していると言えます。ちなみに『日経平均高配当利回りファンド』は前回レポート時はPBRが0.9でしたので、少しづつ改善しているようです。
信託報酬
最後に信託報酬と実質配当利回りです。
『NF日経平均高配当50ETF』の信託報酬0.308%は『日経平均高配当利回りファンド』の半分以下となり、実質配当利回り(配当利回り-信託報酬)では『日経平均高配当利回りファンド』を逆転します。『NF日経平均高配当50ETF』の信託報酬も決して安くはありませんが、配当利回りで十分にカバーされていることが分かります。
NF日経平均高配当50ETF | 日経平均高配当利回りファンド | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | |
信託報酬 | 0.308% | 0.693% | 0.143% |
実質配当利回り | 3.7% | 3.5% | 1.7% |
まとめ
- 『NF日経平均高配当50ETF』は『S&P500』よりリスクが低く成長率が高い投資先です。
- 昨今話題のPBRが低いため、構成銘柄はまだ割安で上を目指す余地が十分にあります。
- 『日経平均高配当利回りファンド』と比較するとリスクの低さでは『NF日経平均高配当50ETF』、リターンの高さでは『日経平均高配当利回りファンド』という結果でした。
- 最近の日本株が好調のため、『日経平均高配当利回りファンド』は投資効率が格段に向上し、とても魅力的な投資先となっています。ただ『NF日経平均高配当50ETF』も決して悪くはありません。
- どちらも新NISAの成長枠投資が可能ですので、新NISAでの長期投資のコアとしてとても良い選択肢と言えますが、『NF日経平均高配当50ETF』はETFのため、配当が自動で再投資されません。再投資する場合はNISA枠を使ってしまう点に注意してください。
リーマン先輩のひとりごと
今回再計算した『日経平均高配当利回りファンド』の投資効率はとても優秀で魅力的に感じます。一方の『NF日経平均高配当50ETF』はETFという点で新NISAでは若干不利になる性質があります。リーマン先輩は投資のリスクはあまり気にしないので、自分で選ぶなら『日経平均高配当利回りファンド』です。
一方で今噂されている『NF日経平均高配当50ETF』の投資信託版が発売されたら、信託報酬次第では魅力的な投資対象になるかもしれません。下のイメージは『日経平均高配当利回りファンド』に含まれていない銘柄の一覧です。ご覧のとおり石油大手、商社など最近の日経平均上昇の原動力となった銘柄が並びます。これら企業に投資したい、分散効果を期待したい、という方には『NF日経平均高配当50ETF』はおススメです。
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