今回はリーマン投資ブログ2つ目のインド記事です。
前回は『新NISAで始めるインド株投資』と題して人気のインド銘柄3本を比較分析しました。記事はご好評をいただき、現在人気Top3に位置しています。インドはGDPで間もなく日本を抜くと言われていることもあり、投資界隈で関心度の高いテーマとなっています。
そこで今回はインドのインフラ関連企業に投資するアクティブファンド『HSBCインド・インフラ株式オープン』について分析したいと思います。
インフラ投資が活発化するインド市場に特化したこのファンドは、成長性の優れた投資先として注目されています。その人気はSBI証券のランキングでもTop10圏内に顔を出すほどです。この記事では『HSBCインド・インフラ株式オープン』をデータに基づいて分析し、以前紹介した他のインド銘柄との比較についても触れていきたいと思います。
基本情報
まずは『HSBCインド・インフラ株式オープン』の基本情報です。
✅信託報酬:年2.09%以内
✅信託財産留保額:0.5%
✅投資対象:主にインドの証券取引所に上場しているインフラ関連株式
✅構成銘柄数:45(2023年6月時点)
✅決算・分配実施:年1回6月
アクティブファンドだけあってコストは高めの設定ですね。
投資対象
構成銘柄は次のとおり公表されています。
45銘柄のうち、NIFTY50指数に採用されているのが10銘柄、SENSEX指数に採用されているのが6銘柄となっていました。
指数採用銘柄の重複は少ないという印象です。
業種では資本財が最多です。ここで言う資本財とは、プラント建設や重工業等を指します。続いて素材、エネルギー、公益事業と続きます。
基準価額・純資産総額の推移
過去10年の基準価額と純資産総額の推移がこちらです。
基準価額は10年で約4倍となっていますが、コロナ前後で動きが全く異なります。コロナ前の横ばいな動きに対し、コロナ後は一気に上昇していることが分かります。
また純資産総額ですが2022年後半から大量の資金がこの銘柄に流入しており、日本での人気のほどがうかがえます。
重要なのはコロナ後の動きが今後も継続できるかどうか、という点ですが、インドの人口ボーナスが2060年台まで続くこと、海外企業がこぞってインドに投資していること、向こう5年の経済成長予測がどの主要国より高いことなど、インドは国として発展する条件が整っていることから、今後もインフラ投資は活発に行われると考えてよいでしょう。
これらの点については以前の記事『新NISAで始めるインド株投資』の『インドへの投資はあり?なし?』の章にグラフと共に分かりやすく解説していますので、ぜひご覧いただければと思いま
リスクと成長率の分析
それではいつもの分析です。
『HSBCインド・インフラ株式オープン』の過去10年分のデータをもとにリスクと成長率を分析しました。
結果は以前分析した『iTrustインド株式』と成長率が同程度、リスクは格段に高くなりました。
『iTrustインド株式』のほうが投資先としては優れていますね。
投資効率
続いて投資効率ですが、『HSBCインド・インフラ株式オープン』は『iTrustインド株式』よりも約5ポイント低く、『米国高配当株式』と同程度という結果となりました。
こちらでも投資先として『iTrustインド株式』の方が優れていることが分かりました。
まとめ
- 『HSBCインド・インフラ株式オープン』はインドのインフラ関連企業に特化したファンドであり、インドの今後の発展に支えられ高い成長が期待できる銘柄です。
- ですが以前紹介した『iTrustインド株式』と比較すると、成長率は同程度の一方で高いリスクと2倍以上のコストが目立ち、投資妙味に劣ることが分かりました。
- ただ、『iTrustインド株式』は組入業種が主に金融や情報技術、ヘルスケア分野であり、投資先業種が重複していません。『HSBCインド・インフラ株式オープン』はインドのインフラ需要の拡大に期待したい方に向けてはよい選択肢と言えるでしょう。
- 特にコロナ後の急激な上昇は今後も継続が期待できるため、インドのインフラへの投資という目的特化型銘柄として魅力的と言えます。
リーマン先輩のひとりごと
インドの国土発展はこれから本格化すると考えると、インフラ分野への投資はとても魅力的に思えます。ただ投資コストが割高なため、あえてこの商品に投資するかと問われると、少し躊躇してしまうというのが本音です。
逆に前回のインド記事では否定的だった『iTrustインド株式』が意外と悪くないんだな、という気づきがありました。
今回思い当たったことの一つに、明らかにトレンドが変わったコロナ後に着目してインド投信4銘柄の比較分析をしたら面白いのでは、ということがあります。もしかしたらインド投資に関してコロナ以前は単なるノイズかもしれません。インド投資記事の第3弾としてそこのところを深堀りしてみたいと考えています。
コメント