コラム 日本発ブラックマンデー記念、夏の下落相場の振り返りと今後の戦略について

この1ヶ月間、毎週レポートしている『全部10万円ずつ買ってみた』は下落報告ばかりになっていました。毎週末の断面だけではなかなか全体像が見えてきませんので、ここで一度この下落相場を振り返ってみたいと思います。

下落相場の始まりは?

下落相場の起点ですが、私は7月11日の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったところと見ています。

その週のレポートが7月13日、そこから8月10日までのほぼ1ヶ月でマーケットと各銘柄がどのような動きとなったかを見てみましょう。

この期間での各銘柄の下落率をグラフ化しました。

どの銘柄も概ね右肩下がりとなっています。

2024年7月13日~8月10日のマーケットと成長率ランキングは?

この期間でマーケットと成長率ランキングをまとめたのが下の表です。

※ブラックマンデーを記念して配色を黒基調にしてみました。(どうでもインフォメーション)

先ずマーケットですが、米国ではDowは-1.3%の下落に対してNASDAQが-9%、S&P500はその中間といったところでした。ここからハイテク系が下げてバリュー系が安定していたことが分かります。

直近1ヶ月のヒートマップを見るとビッグテックと半導体関連の不調さが一目瞭然です。

そしてNASDAQ以上に下落していたのが日本株、対照的にインドはたったの-1.0%と安定していました。

次に経済動向を見てみましょう。

何といってもドル円、米10年債金利、半導体指標のSOX指数が大きく下がっています。
✅ドル円 11円のドル安円高
✅米10年債金利 -24.3ベーシスポイント
✅SOX指数 -18.5%

ドルが売られ、債券に資金が流入し、これまでマーケットを牽引してきた半導体株が嫌気されたことが分かります。

成長率ランキングは全く意外性のない結果に

成長率ランキングは想定通りでした、と書くと「え?どういうこと?」と思われるかもしれません。

ここでいつものリスクと成長率の分布をご覧ください。

マップの左がリスクが低く、右に行くほどリスクが高くなりますが、リスクの低い順序と成長率ランキングと比較するとかなりの確度で一致していることが分かります。下の表をご覧ください。

今回の下落はリスクに相応したものとなっていたことがお分かりいただけると思います。『ニッセイSOX』と『レバナス』の並びが異なる点についてですが、『レバナス』が為替ヘッジありの商品であることから、今回の極度のドル安の影響を受けなかったためと思われます。

※『USテック・トップ20』と『レバFANG+』はデータがないためリスクは計算していません。

以上のことから今回の下落相場を振り返ってみて

この1ヶ月間はハイテク系銘柄、特にビッグテック系銘柄と半導体銘柄にとって試練の時でした。

ただこの下落はリスクどおりの結果となっていることから、予め想定しておくべきものと考えます。

長期投資であればリスクは低減でき、投資効率に見合った成果を得られます。この記事を執筆することで、ハイテク系銘柄への投資は一度の下落で諦めることなく続けることが重要、という事実を改めて思い知らされました。

リーマン先輩のひとりごと

とはいえ私は8月2日までにキャッシュポジションを高めていたため、8月5日の下落の被害を最小限に食い止めることができました。この手持ちのキャッシュをどうするか、これからの戦略について思っていることを書きます。

8月5日(月)の暴落で一旦底を打った、というのが有識者の意見の大勢ですが、私は確信が持てていません。ここまで下がったビッグテック系やレバナスは魅力的なのですが、まだ買うタイミングではないと考えています。

ではいつになったら買えるのでしょうか。

下の図は以前から私がXで継続的に発信しているNASDAQ100のチャートです。

2本の青線は私が引いたものでNASDAQ100のトレンドを示していますが、現在の位置は下の青線を切ったままです。下の線を越えてくるタイミング(黄色い矢印)でようやく安心して投資を再開できる、と考えています。この時が来るまでにまだ時間がありますので、何を買うかこれからじっくり考えます。

ちなみにこの2本の線ですが、ピクテ・ジャパンのストラテジスト糸島氏もまったく同じ線を引いていて、同じような分析をされています。(彼はNASDAQ指数を用いていますが、チャートの形はNAS100とほぼ同じです)

以下のYouTube動画の12:45あたりからコメントされていますのでお時間あればご覧ください。

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