先日『ウェルスナビの自分勝手なシミュレーション』を記事にしました。多くの皆さまに読んでいただけ大変感謝しています。ありがとうございます。
前回ウェルスナビをシミュレーションするにあたり、リバランスで運用成績がどう変わるかをシミュレーションするモデルを(結構苦労して)自作しました。このモデルは設定を変更するだけで簡単に違う条件でのシミュレーションもできます。前回のレポートだけではもったいないので、今回はそのシミュレーションモデルを使用して遊んだ結果をレポートしたいと思います。
その内容ですが、リバランスの頻度を変えたら運用成績はどう変わるのかをシミュレーションしてみるというものです。
先に結論ですが、毎日せっせとリバランスをしたところでいいことはなく、賢い社会人になるためには頻繁に取引をせず長期投資を心掛けよう、というこのブログのコンセプトに辿り着いています。
シミュレーションの前提
シミュレーション方法は次の4点を踏まえて分析します。
✅各投資対象の配分比率はウェルスナビのリスク許容度4を採用(下図)
✅リバランス時に配分比率が戻るように口数を調整
✅リバランス頻度は①4月と10月の第一営業日、②毎日、③一切しない、の3パターンを採用
✅期間は2014年3月3日から2024年3月1日で分析
シミュレーション結果
ウェルスナビのリスク許容度4の配分比率で下記の①②③をシミュレーションし、10年分のデータを得ました。①②③それぞれの前提条件は次のとおりです。
①ウェルスナビに近い年2回のリバランスを行う。(実際の運用結果との比較などは前回の記事をご参照ください。)
②毎日リバランスを行い常に一定の配分比率を維持する。(毎日リバランスするのは現実的ではありません)
③初めに購入した口数を一切変えずに放置する。(本当の意味での「ほったらかし投資」)
その結果は次のグラフのようになりました。
10年間の運用成績の良かった順に③放置(+115%)、②毎日リバランス(+110%)、①年2回リバランス(+107%)となりました。
皮肉な結果というか定石どおりというか、放置プレイでいいんですね。毎日株価チェックしてゴチャゴチャといじるよりも、買ったことを忘れてもっと価値のあることに時間を費やした方がよい、という神の啓示を受けた気がします。
リスクと成長率の分析
①②③それぞれ10年分のデータを基にリスクと成長率を分析しました。
リスク・成長率ともに③(放置)が高く、①(年2回リバランス)と②(毎日リバランス)はほとんど変わらない結果となりました。
投資効率
投資効率では②(毎日リバランス)と③(放置)がほぼ同じで、①(年2回リバランス)がやや劣るという結果となりました。あまりにも計算結果が近いため、今回は投資効率メーターの表示範囲を拡大して作成しています。
まとめ
今回のシミュレーションでは取引手数料は考慮していません。特に②(毎日リバランスする)を実際に行うのは相当の手数料が必要、かつ時間や手間もかかります。この設定からして個人投資家には不可能なものです。
手数料やかかる手間を無視したところで、成績は「放置」より劣るという結果になりました。これは都市伝説(?)の「投資成績が良いのは死んだ人」を裏付けるような結果と言えます。
では高い手数料(年1.1%)を払ってまでウェルスナビを買う意味があるのか、という問いの答えは、前回のブログ記事に書いた「ウェルスナビの最大のメリットとは?」をお読みいただければと思います。(資金を余すことなくETFへの投資に回せる、積立投資との相性がよい、というような利点を挙げています)
リーマン先輩のひとりごと
今回はお遊びでシミュレーションしてみたのですが、結果は示唆に富んだものでした。
リーマン投資ブログは新社会人のような若く、そして投資を始めたばかりの方に向けて書いているのですが、この記事では、賢い社会人になるためには頻繁に取引をせず長期投資を心掛けること、というリーマン投資のキーメッセージをお届けできたと思っています。
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